福島の未来により添う
フリースクール(安心できる居場所と学びの場を…)
ビーンズふくしま

らら・カフェ 2022秋号(第60号)/ 2022年9月


フリースクール事業長 菅野多美子さん

「もう ひとりじゃないよ!」
子どもたちの心に寄り添って…

 「不登校」というのは、主に病気や経済的理由を除く心理的、情緒的、身体的、社会的要因などによって長期的に学校に行けなくなった状態のことを言います。2020年度の文科省調査では、全国で不登校状態にある小中学生はおよそ20万人。福島県内では2,600人を数えています。これは、クラスに1人は不登校を経験している子どもたちがいるということです。
 では、なぜ子どもたちは不登校という選択をするようになってしまうのでしょう。多くの場合、本人も保護者も理由は分からないと言います。学校での対人関係やトラブル、学習の遅れ、家庭や地域の問題などが複合的要因となり子どもの心に影響を与え、学校に行き難さを感じて不登校になっていく…。子どもも親もどうしてよいか分からず、悩んでいるうちに対応が遅れてしまう場合もあります。
 1999年9月、福島市で初めて不登校を対象としたフリースクール"ビーンズふくしま"が設立されました。初代理事長は若月ちよ氏。不登校の子どもたちに安心できる居場所を提供し自立支援をしようというのが目的でした。当時、若月氏自身も不登校児を抱える母親の一人。その頃は不登校に関する社会認識も低く、加えて地域の情報や理解不足もあり、若月氏が自らフリースクールを立ち上げる決心をしたといいます。

安心できる居場所の提供と一人一人に寄り添った自立支援を
 ビーンズふくしまは今年で設立24年になります。近年はコロナの影響も加わり、より複雑になった社会で生きにくさを抱える子どもや若者がいるなか、一人一人に寄り添い、安心できる居場所を提供し続けてきたスタッフやボランティアの皆さん。つないだ思いは確実に今に伝えられてきています。
 現在、フリースクールの事業長を務める菅野多美子さん(46歳)はビーンズふくしまに入職して6年、フリースクールに関わるようになって5年になります。入職当時は東日本大震災で避難している子どもたちの支援に携わっていましたが、そこでフリースクールの存在を知り興味を持ったといいます。その後全国フリースクールネットワークが主催するスタッフ講座を受講すると、さらに深く関わりたいと思うようになり、フリースクール部門に異動。1年後にはそこの事業長になっていました。


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