只見ユネスコエコパーク

らら・カフェ 2018冬号(第45号)/ 2018年12月

豪雪が生んだ自然と生活を守り、活かす
只見ユネスコエコパーク

  只見町は、新潟県と境を接する奥会津地方に位置し、国内でも屈指の豪雪地帯として知られ、また豊かな自然環境から生まれる四季の美しい移り変わりが、町の大きな魅力となっている。
 第二次世界大戦後の昭和20年代以後は、特定地域総合開発計画により、只見川に「大鳥ダム」「田子倉ダム」「只見ダム」等が建設され、首都圏に電気を供給する一大電源地帯として脚光を浴びた。
 町を通るJR只見線は、2011年の豪雨被害により、現在も一部区間が不通となっているが、風光明媚な車窓の風景は、観光資源としての価値も高い。
 しかし近年は、働き手の町外・県外への流出により、過疎化・高齢化、それに伴う地域社会の衰退が進み、今後どのように維持・発展させていくかという課題に直面している。

■自然首都・只見

  「2005年ごろをピークに全国で進められた、いわゆる『平成の大合併』において、只見町は、他の自治体との合併を選択しませんでした。『第六次只見町振興計画』を策定し、私たちは独自のまちづくりを歩むことしたのです」と話すのは只見町役場の職員で、只見ユネスコエコパーク推進協議会事務局の中野陽介さん。「その理念は『雪と暮らすまち ブナと生きるまち 奥会津只見の挑戦 真の価値の創造』です。それは、従来の都市部に追従するような地域振興とは決別し、都市部にはない地域独自の自然や生活、文化、歴史、産業を活かし、自立した地域づくりを行うことです。
 そして、貴重な自然環境と生物の多様性を、確実に次世代に引き継いでいくことを内外に明言し、日本の自然の中心は只見町というメッセージを込めて、2007年に『自然首都・只見』を宣言しました」。
 こうしたビジョンをより具体化するための一環として、只見町の地域全域について、ユネスコエコパークとして認定を受けることを目指した取り組みを始め、そして2014年に只見町全域と檜枝岐村の一部にまたがる約7万8千ヘクタールが認定された。

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