美しい自然、そしてそこが故郷
川俣町 山木屋太鼓の軌跡

らら・カフェ 2017春号(第38号)/ 2017年3月

アメリカ ミシガン州での公演をステップに

アメリカ ミシガン州での公演をステップに
新たな挑戦


 福島県川俣町山木屋地区は、東日本大震災に伴う原発事故で帰還困難区域となり、今年3月にようやく避難解除となりました。  
 山木屋といえば、「山木屋太鼓」がよく知られています。2001年に結成され、震災前から数々のイベントやコンサートに出演して多くのファンを集めていましたが、震災によってメンバーの避難など大変な時期を乗り越えながら今も活動を続けています。  
 今回は、山木屋太鼓の会長を務めている遠藤元気さん(28)に、これまでの活動や、昨年話題を呼んだアメリカでのミシガンツアーについてお話を伺いました。

ミシガンコンサートツアーはどこからオファーがあったんですか。
震災後、ミシガン州在住の日本人女性で映像作家の椎木透子さんが福島に来られました。その目的は、アメリカの人たちが持つ福島のイメージが情報だけのものになってしまって、なかなか福島に住む人たちの目線で見た「福島」が伝わっていないので、ドキュメンタリー映画を作りたいということでした。そこで共通の知人の紹介で私たちのコンサートを観られて、ぜひ映画の中で使わせてほしいということで動画を撮影していかれました。その後連絡があり、ミシガン州のデトロイトなどで山木屋太鼓を演奏してもらえば、福島を見る目に変化があるかもしれないと、また、現地の人たちと交流する中で発見とか、新しい可能性を見出せたら…という話をいただきました。


海外での公演は、初めての経験ですか?
 震災の次の年に、ワシントンDCに招待されました。その時は日米協会とTOMODACHIプロジェクトの皆さんのご支援のもと私たちの気持ちを前向きに変えてくれました。そういった海外の皆さんの温かい気持ちに触れ、力をいただいたからこそ今度は自分たち自身が今を発信していこうと企画したのがミシガンツアーです。 
 その思いは椎木さんや夫のエリックさんの働き掛けで少しずつ広がり、ミシガン大学や雫の会の皆さん、五大湖太鼓センターの皆さんなど現地の多くの方々により、私たちが現地で活動する準備や支援へと繋がりました。私たちとしても渡航費の一部を集めるため購入型クラウドファンディングを活用し、全国から応援していただいたおかげで無事プロジェクトを達成し、このツアーが実現しました。 こちらからは、打ち手が10人、スタッフ2名の計12名で行き、5日間の滞在の中で、地元の子どもたちや大学生との交流もありました。無事帰ってきて5月に地元川俣で報告会の感謝コンサートもやりました。

 

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