復興を願う子どもたちの絵「願いよ届け がんばっぺ福島」
 愛知教育大学附属岡崎小学校6年2学級

らら・カフェ 2015秋号(第32号)/ 2015年9月

未来に向かって、夢をはぐくむ

セル画はこちらにも掲載しています。「世界一長い希望の絵」>>

7月末に愛知県の岡崎市から、福島市に届けられた子どもたちが描いた35枚のセル画。そこには子どもたちが福島の復興を願う、一人ひとりの想いが込められていた。
このセル画制作を福島へ届けてくださった愛知教育大学附属岡崎小学校6年2学級を紹介する。


 今回、子どもたちの作品を福島まで届けてくださったのは、6年2学級の担任で、図画工作を担当する神門大知先生。この学校に赴任して3年になる。
 愛知教育大学附属岡崎小学校は、一般の公立校とは異なり、国立大学法人愛知教育大学の研究校として独自の教育プログラムで授業が進められている。このセル画も、およそ3ヶ月あまりの時間をかけて制作された。
 「東日本大震災から4年が経過し、愛知県では被災地の情報が十分に入ってくるとは言えない状態でした。そこで、1学期の授業を始めるにあたり、子どもたちに福島の今の状況について聞いたところ、見方が二分されていることがわかりました。すでに復興したと考える子どもがいる一方で、被災地では今も物資が不足し、物資や義援金などを必要としている状態だと考える子どももいました。それは子どもばかりでなく、大人でも同じことが言えました。福島の情報は、やはり愛知まではなかなか伝わってこないのです。全国のニュースで流れる情報以外は、ないに等しい状況でした。そしてこれをきっかけに、子どもたちは福島についての調べ学習を始めたのです。
 授業では、東日本大震災や福島第一原発の事故について、子どもたちがインターネットや本などを使って調べを進める中で、自分たちが被災地にできる支援は何か、という疑問に突き当たったのです。被災状況については詳しく述べられているのですが、復興支援となると子どもたちの調べでは行きつくことができませんでした。皆で意見も述べ合ったのですが、なかなかまとまらない。そうするうちに、『震災を体験しながら、今も福島で暮らしている人に直接話を聞きたい』ということになったのです。
 この言葉に、子どもたちの意識の高まりを感じました。子どもたちに直接地元の方の声を聞かせる方法はないかと思案しました。そんな中、福島で地域おこしの活動を続けている「福の鳥プロジェクト」を見つけることができたのです。そして本校の子どもたちに、東日本大震災と原発事故がどのようなものだったのか、そして福島の今の状況について、子どもたちに直接お話しいただきたいとお願いしました」。

 

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