震災後も変わらず美しい福島を伝えたい
第6回花見山フォトコンテスト審査会開催!

秋山庄太郎記念第6回花見山フォトコンテスト 受賞者決定しました。


【300点を超す応募作品】
 6月22日、秋山庄太郎記念第6回花見山フォトコンテストの審査会を行いました。
 昨年に引き続き、「花見山の四季部門」と「福島ふるさと部門」、「花見山レディース部門」の3部門の募集をしました。

 今回のフォトコンテストは、3月11日の震災以降、中止すべきかどうかということを検討してきました。この大変な時期だからこそ、地域の復興のための一助となり、元気で美しい福島があるということを発信していけるような取り組みにしたいという思いで開催することになりました。開催を決めては見たものの、今年は応募作品が激減するのではないかという不安も続きました。しかし、今年もたくさんの方からの応募が寄せられ、無事審査会を開催することができました。


福島県内を初め全国各地の104名の方から318点の応募がありました。
部門別では、花見山の四季部門が129点、福島ふるさと部門が161点、花見山レディース部門が28点でした。

 今年の応募は、震災後のためか、人と人のつながりを感じる作品や、福島の現状、変わらない美しさや復興へ向けた意志を捉えたものなど、故郷への思いが詰まった作品がたくさん寄せられました。

■審査会の様子
一次審査では、各審査員が全作品の中から気になる作品を選んでいきます   ただ美しいだけではなく、作品の表情や、画角の切り取り方、テーマ、シャッターを切る瞬間など全てが審査の対象になります。   どれも応募者の気持ちが込められた一枚。選ぶ側も真剣です。



 一次審査を通過した作品の中から、各部門の最高賞1点、優秀賞2点、入選5点を選びます。
 今年は特に故郷・福島への強い思いを感じる作品が多く、審査も難航しましたが、「花見山の四季部門」では藤田健三さん(福島市)の作品「吾妻の雪うさぎ遠望」が最高賞の秋山庄太郎賞に選ばれました。「福島ふるさと部門」のふるさと賞は渡邉源一さん(二本松市)「大わらじを担ぐ」、「花見山レディース部門」は、最優秀賞は栗原陽子さん(福島市)の「春色」が選ばれました。その他受賞者は下記の通りです。

第6回花見山フォトコンテスト審査結果発表>>




■作品選考後審査員講評

秋山庄太郎写真芸術協会/理事長 髙橋信夫 様
秋山庄太郎写真芸術館 
/館 長 上野正人 様
「絵になる光景」「フォトジェニックな風景」。花見山はそのようなシーン、被写体の宝庫です。大震災と原発事故による影響の最中にあって、心やさしいまなざしから丁寧に撮影された多くの写真を拝見することができました。入賞された作品もさることながら、それ以外の応募作にも心和ませられるものがたくさんありました。高度な技術で撮られた作品も見受けられますが、ビギナーの方が撮影されたと思われる作品のなかには、例えばトリミングに気を配られさえすれば、主題がより明確になり、構図も引き立って、入選や入賞枠に入られたものもあったと思います。いずれにしても、「一期一会」を大切にされた数多くの写真が寄せられ、本コンテストならではの個性や潮流を感じました。

理事長 髙橋信夫 様

館 長 上野正人 様



福島県写真連盟会長 鴫原明寿 様
 これだけ厳しい中、300点以上の作品が集まったこと、困難な中この企画を継続できたこと、福島県写真連盟の組織の中で同コンテストが定着してきたことについて嬉しく思います。幅広いジャンルで応募があり良かったです。
 審査員の皆さまも同じ思いかと思いますが、何か癒しや元気を作品を通して伝えたいという気持ちで審査にあたりました。賞に入らなくても素晴らしい作品があったことを付け加えておきます。おめでとうございました。





福島民友新聞社編集局写真部長 一ノ瀬澄雄 様
 震災があったが、今回もこのように沢山の作品が寄せられ、多くの方が震災にめげず写真を諦めずに撮ってくれたことでコンテストが成り立ったと感じます。
 一枚の写真の持つ写真本来の強さや力、役割が認識される時代になってきているのではないでしょうか。その中で開催できてよかったです。今まで元気だった暮らしが、ある日を境に生活が変わり泥の中から一枚の写真を拾いあげられ、どれほど写真が大切なのかということを考えさせられる年になったのではないでしょうか。花、山、人をみる写真を撮る人の視点がさらに問われ、また写真を選ぶ側の目も試されるという責任感も実感しました。




福島民報新聞社写真部副部長 國分眞司 様
 花見山の四季部門も年々レベルが向上しています。最優秀賞や優秀賞の写真も今までにはない写真でした。福島ふるさと部門の最優秀賞の「大わらじを担ぐ」については、表情がでています。今回震災ということもあり、力を合わせて、みんなで担ぐという意味もあり、良い写真だったので選ばせてもらいました。花見山レディース部門の最優秀賞の作品は自分の世界で写真を撮っていると思います。回を重ねることに、個性も出てきています。自粛してやらないということではなく、アマチュアの方が発表できる場として、継続してフォトコンテストを開催できるように今後もお願いしたいです。





  未曾有の震災を受け、激変してしまった福島。私たちも中止すべきかどうか悩んだ今回のフォトコンテストですが、一枚一枚に目を通し、開催を決断したことは間違いではなかったと実感した審査会でした。福島に対する思いが込められた今回の入賞作品、応募作品が“復興”の一助になるような取り組みを展開したいと考えております。
 これらの活動を通じて、「美しい福島」「震災に負けない福島」を広く伝え、写真文化の発展や地域の復興に役立てていきたいと考えておりますので皆さんのご協力やご支援、応援をよろしくお願いします。